2週間のコールメディカルクリニックでの実習を終えて

8月20日~2週間、実習にいらっしゃった、JA広島総合病院 臨床研修医2年次の平田旭先生の実習を終えての感想を掲載します。


2週間という短い期間ではありましたが、地域医療という形でこのコールメディカルクリニックに関わらしていただくことができ様々なことを経験することが出来ました。
私は急性期治療を主に扱っているJA広島総合病院に勤務しておりますが、治療方針や考え方において様々な点で異なる点があり刺激的でした。
実習が始まるまでは、在宅医療というのは人里離れた病院がない地域において(離島など)行われるものだと思っていました。実際は想像していたものと違いました。身体的不自由のため病院に通えない方、急性期病院での治療が終了したが今後も医療介入が必要な患者様へのフォロー、コールメディカルのドクターを信頼しての要望からという様に様々な事情で在宅医療が利用されていることを知りました。
実際の医療の内容に関しては限られた医療資源、機材をフル活用し、在宅で出来る限りのことを工夫しながら行われているのだなということが参考になりました。しかし、限られた医療資源とはいえBiPAPや簡易エコー、心電図等を利用することも出来るし血ガスの測定も可能であり緊急時に必要なものはレントゲン以外比較的そろっている印象でした。むしろパーカッションベンチレーターやアンビューによる呼吸リハビリなどの総合病院でもまだ取り入れていないような医療も積極的に導入されているようでした。これなら安心です。
診察に関しても、しっかり時間をかけて患者様が満足するまで話を聞いている印象。個々の患者様のことをしっかり把握されており、その人に合った医療を提供していることが伝わってきました。自分の勤務する総合病院のように経時的にバイタル測定しておけるわけではないので、正確な病態の把握のみならず、その後の病態変化の予測や先を読んだ治療方針を立てることが必要になってくるだろうと思われます。その点が在宅医の力の見せ所なのかと感じました。それに加え在宅でのみでは治療困難と判断されればすぐに総合病院への搬送も可能であり、急性期病院との連携もきちんとしていることが患者様には安心のひとつかもしれません。
ソーシャルワーカーの方やヘルパーの方、介護施設などのスタッフの方々との連携も上手く取れており、多くの施設の連携の下に在宅医療が行われていることが良く分かりました。日頃総合病院で見ている患者さんの医療はこのような地域の様々な方の支援を支えにして成り立っているということを学ばせていただきました。大変ありがたいことだと思います。
移動中の車の中で様々な地域医療に関わるお話を院長先生始め多くのスタッフの方々から伺わせて頂きました。その中でも印象的だったのは総合病院等で行われる私たち医師の診察や態度に対して、多くの患者様は不満を少なからず抱いており、その不満を在宅に来られたコールメディカルの先生方に打ち明けているとうことでした。私たちの日頃の診療は日々の忙しさに追われてしまい、しっかり患者さんの話を聞けていただろうか、きめ細やかな診察が出来ていただろうかということを考えさせられるきっかけとなりました。カルテの方ばかりに目が向いた診察、一方的な問診等、少なからずドキッとさせられるものがありました。
また、コールメディカルの理念としての365日24時間いつでも駆けつけるというものを拝見して、はじめはどれだけ大変なのだろうかと思いました。
医師の数も少ない中で、いつ急変してもおかしくない病態にある三百人近い患者さんからの呼び出しに常に対応するということが可能なのだろうかと思いました。この質問を院長先生に伺ったところ、多くの患者様は強い不安を抱いている。その不安を聞いて24時間いつでも駆けつけるという安心感があると患者様はほんとに必要なときしか呼び出したりはしないというものでした。自分たちが日頃当直をしていて対応する患者様の中には、重症患者様だけでなく多くの強い不安を抱えられた方がいらっしゃいます。病態や検査結果ばかりに注意が向いてしまい患者様の不安にまで気を使えてなかった自分の診療では満足度の低い医療しか出来ていなかったことは明白です。病気による症状だけでなく、精神的にも大きな苦痛を抱えた患者様の痛みを少しでも減らしていくことの大切さを学びました。
症例としては、日頃見ることのできない慢性期疾患の患者様の症例を多く経験させていただき学ぶことが多かったです。特にALS等の神経内科疾患は学生時代からほとんど経験がなかったのですが、病態のみならず身体所見、予後、精神的背景等まで先生方から詳しく指導していただき大変参考になりました。今後さらに自学によって知識を深めていきたいと思います。
私は、新しい刺激やストレスが人間を成長させるものだと考えます。総合病院(自分のホーム)での診療から離れ、今回のような実習の地で、しかも他人の家という全くのアウェイでの診療というものが少しでも自分にとってプラスとなるようにフィードバックできたらと思います。
最後になりましたが、突然の訪問に対して何の文句も言わずにやさしく受け入れ実習に協力、さらには様々なご指導やご教授くださった患者様、短い時間の中で様々な知識や経験を積ませてくださったスタッフの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。少しでも患者様の必要とする医師に近づけるように今回の経験を生かして努力していきます。

あと、次回から外病院に見学に行く時にはきちんとした靴でいくようにします。院長怖かったです。
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by cmcweekly | 2012-08-31 18:14 | 感想

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