平成24年度 実習の感想②

8月3日~2週間、実習にいらっしゃった、JA広島総合病院 臨床研修医2年次の徳毛健太郎先生の実習を終えての感想を掲載します。



 医師となり1年と半年が経ちました。研修医の身ではありますが、これまでさまざまな経験をし、さまざまなことを学びました。学生の頃はいい加減で、勉強以外のことばかりだった私も、当然到底十分とは言えませんが、以前よりは仕事もできるようになり、若干の自信は持てるようになってきました。そんな時期にコールメディカルクリニックで研修させていただいたことは、自分を省みる大変よい機会となりました。

 往診に同行させていただいて、私にとって最も心に残ったのは、各患者さんの居室に飾られている、ご本人やご家族の写真の数々でした。ご本人が若かった頃の写真、孫の入学式や結婚式の写真などが目に飛び込んできました。そこからは病棟や外来診療では見えてきにくい、患者さんの歩んできた道や、かけがえのない家族の存在が、ありありと伝わってくる気がしました。患者さんという感覚ではなく、1人の人間のリアルな様子が実感できました。自分自身と同様、それぞれの患者さんにはそれぞれの人生があり、それぞれの家族があります。私たち医師は、そんな自分と同じ1人の人間を診療しています。それは当たり前のことなのですが、わかっていても私たちは普段の診療でそれを忘れがちで、データの改善ばかり気にかけたり、病気以外のことに関して配慮が足りなかったり、そんなことがしばしばあります。今回そのことを改めて考えました。

 在宅診療を経験したのは初めてでした。意外だったのは、患者さんも、そのご家族も明るいことでした。たとえ治らない難病を抱えていても、癌の末期で死が近づきつつある人でも、前向きに暮らしている方が多いことに、私は少し驚かされました。私は地域の中核となる総合病院で働いています。癌や脳卒中を患った患者さんを何度も見てきました。戸惑いや不安を隠せない患者さんや家族を見てきた私には、「治らない=負け」という感覚が心に中にあったのだと思います。しかしそのような患者さんが、自宅に戻ってどんな生活をしているのかは見たことがありませんでした。在宅診療を通して、「治らないが、負けではない」ケースを何度も見せていただきました。不安や悲しみがなくなったわけではないのかもしれませんが、患者さんが前向きな気持ちで過ごすことができているのは、病気を抱えながらも自宅で暮らせていること、そして家族も引っくるめて親身になって診療を行うコールメディカルクリニックの皆様の力によるものでしょう。患者さんやそのご家族のいろんな側面を理解し、患者さんというより、まるで友達のようなスタンスで診療を行う様子は印象に残っています。

 診療だけでなく、クリニックとデイケアも印象的でした。最初にクリニックを訪れたときの印象は「ここが病院?」という感じでした。外観も内装も綺麗で清潔感があり、スタッフも誰一人白衣を着ていません。いつも私たちが感じているあの「病院っぽい空気感」は全くありませんでした。クリニックで診療を行うことがないので、まるでオフィスのようなところです。往診といっても、必要な検査は、X線による画像検索以外はほとんどでききますし、ある程度の外科的処置や内視鏡検査も在宅のまま施行できるようです。デイケアは食事や団欒の場とリハビリテーションの場が別れていますし、トイレや風呂の利用者も直接見えないような構造になっています。「デイケアを幼稚園にしてはいけない」と院長はおっしゃっていましたが、まさにその通りで、個々の患者さんを尊重してしっかりリハビリテーションを行い、かつ患者さんが人とのつながりを作る楽しい場所にしたいというコンセプトがはっきりしていました。そのコンセプトをもとに、いろんな工夫やこだわりがあり、個性的で理にかなったデイケアになっていると思いました。食事内容もかなり細かく個々の患者さんに合わせて変えていることには驚きました。そして何といっても、食事がおいしい。昼食に出していただいた食事が毎回おいしいのです。職場で「メシがウマい!」と思えるのは、個人的にはとても良いことだと思います。

 総合診療医が不足していると言われています。コールメディカルクリニックは総合診療形式の1つの模範回答かもしれないと私は思います。これからもコールメディカルクリニックの皆様のご活躍を祈念しています。このような形で、在宅のまま総合的に患者さんのケアを行う施設がこれから増えて欲しいと思います。2週間という短い時間でしたが、往診に同行させていただき、さまざまなもの見て、勉強させていただきました。呼吸リハビリや肺内パーカッションベンチレーターなど、普段触れる機会のなかったものも勉強するきっかけとなりました。自分の診療・自分の将来を考える大変良い機会になりました。私のような未熟者にも丁寧に接していただき、ご教示いただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。私の突然の訪問を快く受け入れてくださった、患者様、そのご家族の皆様、ありがとうございました。今回の経験を生かして、これからも精進していきたいと思います。
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by cmcweekly | 2012-09-14 17:23 | 感想

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