『コールの丘の音楽会』

T様より先日の「コールの丘の音楽会」のお礼のお手紙を頂きましたので、掲載致します。


 先日は昨年に続きすばらしい演奏会を開催してくださり誠にありがとうございまし
た。
 実を申しますとALSの進行状態から、今年の演奏会はたとえ開催されたとしても
参加は到底、無理と思っていたのです。というのはご承知のように、昨年の暮れ頃か
ら徐々に痰の回数が増え、そのうち、自力での吐き出しも困難になり、何度も藤岡先
生のお世話になりました。先生からも万が一のときには人工呼吸器をつけるかとの話
もありましたが、きっぱりと断りました。
 理由はこれ以上の苦しみを味わいたくないとの思いと、介護の問題、それ以上に
思ったことは社会復帰も望めず、寝たきりの状態で果たして人間として生きている価
値があるのかどうか・・・そんな思いから生死は自然にまかせる。つまり人工呼吸器
はつけない。そう決めていたのです。今年になって更に病状が悪化し、毎日死ぬる事
ばかり考えていました。
 この時点で、はっきりと死を覚悟したのですが、不思議と悲しさはなかったので
す。むしろ苦しさから逃られる安堵感のようなものを感じていました。
やっとこれで楽になれると・・・

 懸命に尽くしてくださる藤岡先生には申し訳なくて・・・心の中では、いつも先
生、ありがとう!・・でも、もう無理をされなくていいですよ!と叫んでいました。
このときの先生は私には神様にみえました。

 映画「赤ひげ」の一説に「患者にとって、医者は人間ではない、神様なのだ」と言
うくだりがありますが、まさにそうだとおもいます。コールの先生方は
岡林院長先生をはじめ藤岡先生、古谷先生・・・
皆様が私にとっては神様に見えます。
 あのとき、もし気管切開をしなかったら・・・
そう思うと複雑な心境です。2月22日前夜の妻の説得には参りました。多分、妻の説
得がなかったなら、気管切開はしなかったでしょう。

 今は付録の人生です。でも咽喉に差し込んであるカニューレが動くたびに咳き込み
ます。これが結構しんどい。人工呼吸器の選択が正しかったのか、ずっと悩んでいま
したが、先日の演奏会を聴いて、この選択は間違っていなかったと確信したのです。
サックスの音色、すばらしかったですね。最後に皆で歌った復興支援ソング「花は咲
く」を口ずさみながら、たとえ声は出ずとも、生きていてよかったとつくづく思った
ものです。
 もう迷いません。弱気な言葉も吐きません。
もちろん付録の人生などとは思いません。新たな人生と前向きにとらえたいと思いま
す。
 ほんとに、ほんとにありがとうございました。
また、半年もかけて音楽会の準備をしてくださった
スタッフの皆様方にもよろしくお伝えください。
 来年の音楽会を今から楽しみにしています。
お礼が遅くなったこと、心よりお詫び申し上げます。
         
        2013年6月29日
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by cmcweekly | 2013-07-03 18:39 | 感想

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