平成25年度 実習の感想⑤

12月16日~2週間、実習にいらっしゃった、JA広島総合病院 臨床研修医2年次の林晴奈先生の実習を終えての感想を掲載します。


 コールメディカルクリニック(CMC)はただものではない在宅医療をしているらしい。CMCで実習した同僚の話を聞いたり、ビデオを見たりして、うすうす感じていました。実際どんなところなのか、とても楽しみにしていました。

 CMCでは主に病気や障害で病院に出かけることのできない人の訪問診療を行っていました。先生方は、「外来と入院の中間」と言われていました。1人の患者さんを30分以上かけて診察されており、忙しい病院の外来が普通と思っていた私はびっくりして、優しい医療だなあと感じました。さらに夜間休日も往診していて、患者さんや家族は安心して在宅でいられるし、救急車の出動回数の減少にも貢献しているということでした。
 病院にあってCMCにないものは、画像検査と手術でした。しかし、レントゲンがなくても、打診と聴診で胸水の範囲は大体分かるし、エコーもある、と言われました。CMCの医療には、丁寧な診察、超音波検査、血液検査、点滴、薬物療法、まるでICUのようなNIPPVや人工呼吸器・気管支鏡・cough assistなどの痰喀出装置、そして患者さんの食べたいものや普段の環境がありました。患者さんは家で暮らしながら入院と遜色ない医療を受けられていました。もちろん在宅で介護する時間と労力のある介護者がいる、というのは現代においては幸運な事かもしれないし、色々な良し悪し、重症度などもありますが、自宅療養している患者さんは病院に入院している患者さんと比して穏やかで在宅に満足気な印象を受けました。

 長い間、在宅で診られていた患者さんのお看取りにも立ち会わせていただきました。穏やかな最期でした。ご主人は亡き伴侶に、穏やかに「さよなら」と語りかけられました。CMCでは、苦痛を取り除く医療を提供すると同時に、患者さんや家族に寄り添い、傾聴して死を迎える準備をし、さらに亡くなられた後も家族を訪問して支えるということでした。
 もちろん別れは淋しいけれども、「死」は必ず訪れるもので、病気や老衰で死ぬのは悪いことではありません。一方で、核家族化し、歳を重ねた家族と暮らす機会の減少した現代では、元気な頃の家族の記憶はあっても、その家族の病気や死を受け入れることは難しいかもしれません。死期の近づいている患者さんの命は救えないことが多いですが、患者さんや残された家族の心を救えるような医師になりたいと思いました。

 どのお宅に伺った際でも、突然の実習者の訪問にも、患者さん、ご家族(、ペットの犬や鳥)が快く迎えてくださり、CMCのスタッフとの信頼の強さを実感しました。また、問診の合間の日常会話では患者さん、ご家族から教えていただくことも多く、医療を超えて人と人との付き合いができていると感じました。
 本当はきょろきょろしては失礼なのだけれども、私は患者さんのお宅で、患者さんの若い時の写真とか、亡くなったご主人の賞状とか、写真とかを見るのが好きでした。病院に受診する患者さんたちの生活背景が少し垣間見られたのが、2週間の実習の最大の収穫かもしれません。
 普段暖かい病院に慣れてしまった私は、最初は寒くて、お宅に行ってもこっそりヒーターやカーペットを探し、日々防寒装備が増えていきました。外に出て季節を感じられるのも訪問診療の醍醐味の一つであると思いました。
 最後になりましたが、CMCの皆様には在宅医療について教えて頂いただけでなく、時には進路相談を聞いてくださったり、また他愛もない会話で楽しませていただきました。ごはんもとってもおいしかったし、スタッフ同士も職種関係なく人と人の付き合いをされていて、いい職場だなあと思いました。2週間大変お世話になり、どうもありがとうございました。
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by cmcweekly | 2013-12-28 14:29 | 感想

CMC広島のスタッフが毎週更新していきます。お楽しみに☆


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