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平成24年度 実習の感想⑤

11月19日~2週間、実習にいらっしゃった、JA広島総合病院 臨床研修医2年次の石内直樹先生の実習を終えての感想を掲載します。



 普段は急性期病院での勤務に携わっている自分には、在宅医療というものが当初はどのようなものか、よくわかっていませんでした。研修以前は在宅医療とは単純に外来followの患者さんを、家で診療している印象でした。しかし現実は大きく異なりました。外来診療でも、入院診療でも見たことの無いような機械を使用しての呼吸器リハビリなど、多くを見ることができました。そして入院診療と外来診療の橋渡しをしていることもよく理解できました。今回の研修で感じたことを以下に述べます。
 まず、在宅医療は単純に医療を行うだけで達成されるものではないということがわかりました。その人の実際の生活環境、家族関係にまで踏み込んで診療を行う必要があると思いました。そもそも、他人の家にあがるわけですから、その家族とのコミュニケーションが必要となるのは、想像しやすいです。しかし、もし患者さんの生活環境の理解や家族とのコミュニケーションが乏しく、家族の協力が得られない状況では、さまざまな治療を行うことができません。患者さんだけでなく、その背景までの理解が在宅医療では必要になるということが今回の研修でよくわかりました。
 次に、診療は医者だけで成されるものではなく、リハビリスタッフ、デイケアスタッフ、ケアマネージャー、看護師さんと多くの他職種の協力のもとで行われるということが再度よくわかりました。私が大学に入学するころから、医療はチーム医療だとよくささやかれていました。頭ではなんとなく理解し、なんとなく病院でも見ていましたが、今回はそれを間近で行われていることを見ることができました。また各職種でその情報を共有しあっていることは、患者さんの利益に大いに繋がることになるということが理解できました。
 他職種と協力してする際には、自分の分野だけでなく、他職種の仕事についての知識も持ち合わせておく必要があると思います。今の自分にはそういった知識は携えていない為、今後さらに勉強する必要があると思いました。
 訪問診療においては、治療だけが全てでないことも理解できました。一人暮らしのおばあちゃんの様子を見に行くという意味も兼ねて診察を行っている人もいると院長先生がおっしゃっていました。たしかに、あまり外にも出歩かない、一人暮らしの高齢者にとって先生の訪問が楽しみと感じていらっしゃる方もいて、あまり普段の病院では、実感がわきにくいことでした。こういった普段の状態を見ているから、逆に状態が悪い時はすぐにわかると先生がおっしゃっていることも十分に納得がいくものでした。
 今回の研修で学んだことは、今後自分が診療にあたっていく際に可能なものは活用していこうと思います。最後になりましたが、2週間もの間、院長先生をはじめコールメディカルのスタッフの方にいろいろとご迷惑をおかけしましたが本当にありがとうございました。先生らがいらっしゃることは心強く、今後の自分の診療の際にも先生にお世話になることがあるかもしれません。その際もよろしくお願いします。
 院長先生、今後の物事の選択は、男気、懐の深さ、情で選択します。
by cmcweekly | 2012-11-30 20:45 | 感想

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